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我らが最新鋭潜水艦キングフィッシャー号の余裕
「4時の方向、ハッチ開放音、魚雷来ます」
ソナー士の声には焦燥が見られる。おそらく彼は実戦任務について間もないのだろう。潜水艦という密閉された空間。目に見えぬ敵、近づく魚雷という名の絶対的死。水圧は体を蝕まずとも、素人では精神をやられて発狂してもおかしくない。潜水艦が棺桶と呼ばれる所以である。
「心配することはない、このまま潜行しつつ1番、2番ハッチより魚雷発射、200メートルで起爆させろ」
「潜行しつつ一番、二番ハッチより魚雷発射、200メートルで起爆」
艦長は落ち着いて命令を発した。
副官は落ち着いて復唱した。
敵魚雷のうちふたつは迎撃され、残るひとつも我らがキングフィッシャー号にはあたらず、海底を爆破するに終わった。
そう、心配することはないのだ。なんといっても我らがキングフィッシャー号は新型動力を搭載した最新鋭艦なのである。もちろん、搭乗するのも有能な人材ばかりだ。あの若いソナー士も、演習でその有能さが認められたからこそ我らがキングフィッシャー号に配属されたのであろう。事実、彼の仕事は堅さが残るものの見事なものであると艦長は評価していた。
「速度上昇、続いて4番、6番ハッチより機雷放出、7秒後、3番ハッチより8時の方向に魚雷発射」
「速度上昇、続いて4番、6番ハッチより機雷放出、7秒後、3番ハッチより8時の方向に魚雷発射」
艦長はすかさず命令を続けた。
副官もすかさず復唱した。
我らがキングフィッシャー号を追撃する敵潜水艦は機雷を避けた。しかし、その直後放たれた魚雷によって撃沈だ。
そう、心配することはないのだ。そもそも、たいてい、熟練の潜水艦乗りというものは最新鋭などという言葉を嫌うものだが、この艦長にとって我らがキングフィッシャー号はわけが違った。実は、彼が下士官としてはじめて搭乗した艦の名前もまたキングフィッシャー号だったのである。
そのため、彼は我らがキングフィッシャー号をジュニアと呼んでいた。
そのとき、ソナー士が悲鳴を上げた。
「3時の方向、10時の方向、敵潜水艦です!ハッチ開放音、きます!」
操舵士も叫んだ。
「このままだと敵に突っ込むことになります!旋回、間に合いません!」
艦長はうめいた。彼の長年の勘が回避は不可能であると告げていた。
「緊急浮上!総員、衝撃に備えよ!」
「緊急浮上!総員、衝撃に備えい!」
それが間に合わないであろうことを知りつつも、艦長は命令を発した。
それが間に合わないであろうことを知りつつも、副官は復唱した。
すると、オブザーバーとして艦に搭乗していた我らがキングフィッシャー号の開発技術者が胸をそらせて言った。
「心配することはありません。なんといっても、新型動力を搭載していますからね」
乗員はみなそれを素人の幸せな戯言だと思い、内心うらやましく思った。
だが、彼もまたプロフェッショナルとして意見を述べたに過ぎない。
そう、心配することはないのだ。
我らがキングフィッシャー号の新型動力はとてもクリーンである!廃棄されるものは環境に害のないものばかりだ。動力に油を使っていないから、撃沈されても水質を悪くすることがない。我らがキングフィッシャー号の撃沈された暁には、海草が繁茂し、魚のよき住処となることであろう。
そう、何も心配することはないのだ。
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わりと適当。
潜水艦はかっこいいと思います。見たことはありませんが。